寄与分・特別受益・生命保険金

寄与分とは?両親の介護を最後までみたけど、他の兄弟と相続割合は一緒なの?|判例寄与分の計算の仕方
特別受益とは?贈与、遺贈の価格の算定特別受益が相続分を超えている場合判例
生命保険金は相続財産に入るの?
寄与分とは?
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@妻と子
A妻と夫の両親
B妻と夫の兄弟姉妹
C子だけの場合
D妻だけの場合
E両親だけの場合
F兄弟姉妹だけの場合
G長男vs妻と二男
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寄与分
寄与分とは?
両親の介護を最後までしたけど、他の兄弟と相続割合は一緒なの?
判例
寄与分の計算の仕方
特別受益
特別受益とはどんなものですか?
贈与、遺贈の価格の算定
特別受益が相続分を超えている場合
判例
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 寄与分とは・・・
 被相続人の為に特別に労を提供した者がいる場合、特別な寄与に対して相続分にプラスするという考え方です。これには、通常のものではなく、特別な寄与であることが要件になってきます。

 両親の介護を最後までしたけど、他の兄弟と相続割合は一緒なの?
では、どんな行為が寄与分にあたるのか?
◆共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供をした者。(長年にわたり、無償で手伝ってきた)
◆被相続人に財産上の給付をした者。(事業をする為に自分の財産を提供した)
◆被相続人の療養看護をした者。
◆その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者(相続開始前まで、相続開始後ではダメ)
◆その他

 以上に該当する相続人がいる時は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価格から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなす。

 法律では、寄与分の額を相続人の協議(話合い)で決めるとしていますが、協議が調わないとき、又は協議をすることができない時は、寄与をした者の請求により、家庭裁判所が一切の事情を考慮して寄与分を定めるとしています。

注意 寄与分を主張できるのは相続人だけです。どんなに被相続人の世話をしたり、事業資金を出してあげても、寄与分を主張することはできません。また、寄与があったことを主張しなければ、他の相続人には分りません。主張すべきことは主張して始めて話合いにつながるのです。

では実際の判例ではどうなっているでしょうか?
<寄与に当たるとされた判例>
@ 被相続人が死亡するまでの25年間共に家業に従事し、生活も共にして世話をしていた長男(福岡家審S56.6.18)
A 37年にわたり、病弱の夫を扶養看護し、夫名義の不動産を妻の収入により購入した妻(山形家審S56.3.30)

<寄与に当たらないとした判例>
@ 父から営業を譲渡された後に、店舗部分の拡張や改造をし、父母の死に至るまで同居し扶養していた長男。
→営業の譲受けと深い相関関係にあるから、特別の寄与とはいえない。(和歌山家審S56.9.30)
A 相続開始後に相続財産を維持又は増加させても寄与分として評価されない。(東京高決S57.3.16)→相続開始前なら寄与にあたると思います。

こんな時も遺言書で被相続人が遺していれば、話合いが迅速に進むでしょう
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寄与分の計算の仕方
 相続人が配偶者と子が2人で、配偶者に寄与分1,000万円を認めた場合

相続財産総額 5,000万円
5,000万−1,000万=4,000万円
残った4,000万を法定相続に従って分割する。
配偶者の法定相続分1/2+1,000万円
4,000万×1/2+1,000万=3,000万円
子は2人なので、各1/4ずつ
4,000万×1/2×1/2=1,000万ずつ
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特別受益とは?
 故人が生前に特定の相続人に贈与したもの、又は遺贈したもので、以下のものは特別受益とされています。
903条 ・住宅資金の援助
・結婚資金
・養子縁組
・事業資金
・大学進学資金
・生活費
・借金を返済してもらった

・その他

 「特別受益」がある場合は、相続財産にその分をプラスして、(持ち戻し)遺産分割をすることになります。

 遺産の総額が、現金で2,000万円、相続人が子供A,B,Cの3人でした。
 故人は、生前にAの住宅資金1,000万円を援助していたので、1,000万円を持ち戻しして計算することになりました。

2,000万円+1,000万円=3,000万円
3,000万円÷3=1,000万円
1人1,000万円ずつ相続することになります。
Aは、すでに、もらっていることになるので、現金の2,000万円をBとCで分けることになります。

<贈与・遺贈の価格の算定>
 これは、財産をもらった時の価格ではなく、相続開始時点での評価額に換算して算定します。金銭、動産、不動産の場合も相続開始時の評価額にします。
 
<特別受益が相続分を超えている場合>
 
贈又は贈与の価格が、相続分の価格に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受取ることが出来ません。遺留分に反しない範囲であれば返還する必要もありません。
 また、「被相続人が遺言により特別受益としない」と意思表示した場合は、遺留分に反しない範囲内で有効とする。


<上記以外のもので争いがあるもの>

 それは、死亡保険金や、死亡退職金などです。
 これらは、判例で「特別受益にあたる」とされるものと、「あたらない」とされるものがあり、見解が分かれているのが原状です。


特別受益に当たるとされた判例
@ 生命保険金 相続人間の公平という見地から、被相続人がその死亡時までに払い込んだ保険料の保険料全額に対する割合を保険金に乗じて得た金額をもって特別受益とすべきである。(大阪家審S51.11.25)

A死亡退職金 死亡退職金は、国家公務員退職手当法の趣旨からは、受給権者の固有の権利として取得されるが、共同相続人間の実質的公平の見地からすると特別受益になる。(大阪家審S51.11.25)

特別受益に当たらないとされた判例
@生命保険金請求権の取得が遺贈に類似した側面があるにしても、これを特別受益に当たるとする見解を採用することはできない。(東京家審S55.2.12)

A共同相続人の1人が取得した死亡退職金等については、これが遺族の生活保障的機能を有するものであることから、原則として特別受益と考えるべきであるが、諸般の事情を勘案すると特別受益とすることがかえって共同相続人間の実質的公平を損なうと認められる特段の事情のある場合には、特別受益性を否定するのが相当であって、子のない共働きの夫婦において、被相続人たる夫の財産(住宅)の購入に妻の多大な寄与があり、他の相続人である夫の母が長男に扶養され老後の保障がある場合に、死亡退職金等は特別受益に当たらない。(大阪家審S53.9.26)
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生命保険金は相続財産に入るの?
 まず、生命保険の保険金を請求する権利は誰にあるか?また、それにより相続財産なのか固有財産なのかで扱いが違うため、相続放棄をした場合に死亡保険金を受け取れるかが問題になってきます。
 
死亡保険金は相続税の対象になりますので、税法上のことと混同しないように注意して下さい。
例1、契約者・被保険者→被相続人(故人)、 受取人→相続人とした場合
 これは、受取人が相続人としてある為、相続人が保険金請求権を取得します。保険料を故人が払っていることから贈与や遺贈のように見えますが、保険金請求権は保険契約に基づいて発生するため、受取人の固有財産と考え相続財産には入れないで考えます。
→相続財産には入れないので、相続放棄した場合も受け取れます。
例2、契約者・被保険者・受取人→被相続人(本人)とした場合
 この場合は、受取人を本人としている事から、本人の財産を死亡によって本人に代わって相続人が保険金の請求権利者になったのです。この場合は相続財産に入れて考えます。
→相続放棄した時は、死亡保険金も受け取れません。
例3、契約者・被保険者→被相続人(故人) 受取人→配偶者とした場合
 この場合は、配偶者が保険金請求権を取得しています。これは固有財産といえます。
→相続放棄しても、死亡保険金は受取れます。
注意
 このように受取人が相続人の内の1人に指定されている場合、固有財産としながらも、この場合は「特別受益」とし、持戻しの対象としているようです。
 これは、保険料の支払いは故人がしているので、遺贈・贈与とはいえません。しかし、他にも相続人がいる場合、指名された人だけが権利を取得する事から、公平の見地からみて、こういう考え方をするのが、一般的のようです。

 いずれにしても、遺言書で明記してあればそれに従うことになり、無用な争いが避けられるということです。
 遺言書がないと、相続人間での話し合いで決める事になりますので、相続人は精神的に辛いですね。 最後は、調停→審判に判断を仰ぐ形になるでしょう。
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