*ここに掲載された内容については、あくまでも管理人個人の
 見解であり不確かな部分も含まれる事をご了承下さい。

 Ⅰ 血統
 大型血統というものがあるとするなら、大型血統の定義みたいのはあるのだろうか。例えばいくつかの血統において、同じ環境で飼育したならば、大型血統のものは他のものに比べ、平均的に明らかな大きさの違いが出るとか、ずばぬけてオバケサイズが出やすいといったものである。管理人には定義出来るだけのデータと経験も無い。


 しかし個体の大きさは、幼虫が育つ環境によるところが大きいということだけは経験から言える。つまりペレメタにおいては、少なくとも90ミリ位までは、血統にこだわる必要はなさそうだ。例えば♂50ミリ、♀20ミリの小型の親から90ミリの大型の子供を出すことも、環境次第では十分可能ということである。(簡単ではないが)
 Ⅱ温度
 温度が幼虫の成長に大きく係っていることは間違いない。メタリフェル(ペレメタ)成虫♀が産卵行動をする温度の限界は、20℃(いまのところ)であると考える。(管理人のデータでは20℃以下では産卵に成功していない。)このことは20℃以下だと卵はもちろん、初令幼虫にとっても好ましくないと♀が本能的に察知しているものではないだろうか。

 そう考えると、ペレメタ初令幼虫には最低20℃以上の温度が必要ではないかと思われる。しかしながら、幼虫は加令すると抵抗力も上がってくる。それに伴って低い温度にもある程度、対応出来るようになるようだ。以前は初~2令幼虫時に食欲を増進させる目的で25~28℃位で飼育し、3令になってから20℃以下の低温飼育に切り替えていた。結果は初~2令の成長が良かったのではなく、加令が早まっただけのように思えたため、現在では初~2令20~22℃、3令幼虫時17~18℃平均まで下げている。今後は3令時に何度まで下げられるのか(幼虫の成長に悪影響を与える温度の限界)を知る事が課題である。

 温度を段階的に下げるという考え方は、90ミリを作出する上で絶対に正しいかどうかは解らない。しかし他の方法を試すのは、このやり方の限界を知ってからにしたい。
      
 Ⅲ飼育スペース(容器の大きさの選択)
 飼育スペースの選択は、大型を目指す上でも重要な項目の一つである。幼虫の成長に合わせて、幼虫が環境コントロールしやすい容器のサイズを選択する必要がある。管理人は環境コントロールを以下のように考える。

 幼虫は木の成分の約半分を占めるセルロースを栄養源としているが、幼虫自身はこれを分解する酵素を持っていないという。そのかわり幼虫は腸内に共生菌を持っている。共生菌はセルロース分解酵素(セルラーゼ)を分泌しセルロースをグルコース(ブドウ糖)に分解してくれる。そしてようやく幼虫は栄養源として吸収する事ができる。また共生菌の一部は糞と一緒に排出され、糞の周辺のマットを分解しはじめる。幼虫はこの部分を摂取していくことにより、より効率的に栄養吸収を行っていると思われる。(管理人は細かいことはよく分からないが、共生菌が重要であるという事は理解できる。)


 つまり幼虫は共生菌をうまく利用して自分の身の回りのマットを吸収しやすい状態にし、なおかつ雑菌が限度を超えないようになんらかの方法(具体的には不明)でマット(環境)をコントロールしながら成長している。これが管理人の考えるところの環境コントロールの意味である。幼虫が環境コントロールしにくくなれば、当然成長にも影響するものと思われる。


 幼虫が無理なく継続的に環境コントロール出来きるようにするためには、まずは人間側が容器内が安定しやすくなるような環境を提供してやることが必要であると考えている。例えば容器の深さをある程度確保する事により、水分蒸発による環境の変化を緩和できる。以前初~2令幼虫に底浅のプリンカップを使用して一時保管していたが、今は底が深いものに変えている。(プリンカップが駄目という意味ではない)。また低温飼育に切り替えるときも時間をかけて徐々に温度を下げるようにしている。また幼虫は容器が狭いと感じたら、成長を抑制するので、そうなる前に容器の大きさを変えなければならない。
目安は、あとの■容器の選択例を見ていただきたい。
ペレメタ幼虫11グラム ①ペレメタ幼虫のおおよその体重経過
ペレメタ♂初令1グラム以下、2令1~2グラム以下、3令初期~後期2グラム~13グラム、最大でも15グラム程度と推測される。
②容器の直径によって成長に違いが生じるかの実験
方法・・・オスの3令初期3~4gを450ml(直径7センチ)、850ml(直径9センチ)、1.5ℓ(直径13センチ)、2.8ℓ(直径17センチ)の容器に、それぞれ3頭づつ約2ヶ月間投入し(容器以外は同じ条件)、成長の違いを調べた。
結果・・・それぞれの容器で成長が見られたが、1.5ℓや2.8ℓでは6~9gと成長のバラつきが激しかった。それに比べ、450mlと850mlは、8~10gで1.5ℓや2.8ℓを上回る体重の幼虫もいた。
 この結果から、やみくもに容器を大きくすると幼虫が環境コントロールしにくくなると考えられる。その理由として、1.5ℓや2.8ℓの容器で成長の悪かった幼虫は、絶えず移動しながらマットを食したため、共生菌の分解した部分を、効率的に摂取出来なかったからではないかと思われる。一方450ml、850ml群は、容器が狭いぶんあまり移動せず、共生菌が分解した部分を集中的に効率よく摂取出来た(環境コントロール出来ていた)と考えている。当然ながら容器の大きさだけでなく、温度や水分 、マットに含まれる成分なども深く関係している事は言うまでもない。
従ってこの実験ではペレメタ3令幼虫において、直径7~9センチの容器のほうが環境コントロールしやすいと思われる。


飼育容器・ガラスビン■容器の選択例
2令中期~3令初期で割り出し後
1本目・・・ネスカフェのコーヒービン。直径7センチ、深さ8.5センチ。(目安7~8グラム位まで)
2令~3令5グラム位までは、直径5センチ位で深さもあるふた付きガラス容器があればなお良いかもしれないが、なかなか見つからない・・・

2本目・・・はちみつ1000ビン。直径9センチ、深さ10.5センチ(3令15グラムに余裕で対応)

3本目・・・MSビン。直径11センチ位。このビンは蛹化目的のビン。(80~90ミリ以上に対応)

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 Ⅳ雌雄判別
 幼虫の雌雄判別を早期に行う事は、大型の♂と♀の羽化ズレ対策として有効である。しかし90ミリUPを目指すことに限っては3令幼虫になってからの雌雄判別で充分であると考える。というのも1本目のビンから♂と♀で容器の大きさを変えるほど、初~3令初期では幼虫の大きさに差が出ないからである。1本目のビンの最中に3令になり、ビンの側面に顔を出した所で判別し、♂は2本目で大きめのビンへ、♀はそのまま羽化までという形をとっている。3令になれば雌雄判別は頭幅で容易に行える。3令♂頭幅7~9ミリ、♀6~6.5ミリ

■ペレメタの雌雄判別
♀の卵巣による判別・・3令幼虫初期~中期で出現。まれに2令から出現する事もある。
頭幅による判別・・・3令なら容易。初~2令では難。(よく分かる場合もある)
♂の性器になる部分の有無による判別(♂の腹部下方にある窪み又は点もしくはスジ)・・・初令からわかると言われるがペレメタでは難。

■頭幅について
頭幅は加令後も0.1ミリ単位で微妙に大きくなると思われた(管理人データ:同一個体:3令♂3グラム頭幅8ミリ→3令♂9グラム頭幅8.5ミリ)
が、最近念のため、♀のデータをとったところ、(データ:同一個体:3令1グラム6.2ミリ→3令3グラム6.2ミリ)と大きさに違いが見られなかったため、再度徹底的に調べなおす事にした。結果が出次第報告する予定。

 Ⅴマット交換のタイミング
 マット交換の最初といえるのが、割り出しである。割り出しの時期は意外に重要である。どれ位が良いかというと、やはり2令幼虫になってからが良いと考える。初令幼虫では抵抗力、環境コントロール能力共に2令に比べ低く、下手をすると成長不良や死亡する恐れがある。逆に3令初期を過ぎてからだと、結果的に多頭飼育する期間が長くなり、ストレスによる成長抑制、早期蛹化の懸念が高まる。幼虫の多頭飼育は小型化する傾向が強い事が実験により解っている。

 マット交換のタイミングを幼虫の視点から知るために、特に交換が免れない3令幼虫の成長過程を調べた。
3令幼虫の時期を区分すると大きく分けて成長期、安定期?、成熟期、前蛹期があり、さらに成長期は2段階に分ける事が出来た。
まず成長期の第1段階は、3令になり間もなく物凄い食欲で急激に体重が増加する。脂肪よりも体自体の成長が目立つ時期である。
次の成長期第2段階は、体の大きさは限界に達し、大きさに変わって体に脂肪が付き始める。この時期も急成長期ほどではないが、体重がゆるやかに増加する。

 続いて安定期?は体に脂肪がのりきって、成長はストップする時期で、体重の増減はほとんどないが、マットは食しているようだ。活動力もある。なぜ?マークかというと、この時期は低温飼育した場合に長く見られ、この時期が成熟期に含まれるのか微妙なところだからである。長いと2ヶ月以上続く事があり(脂肪の色が黄色くならない)、逆にこの時期がほとんどなく、成熟期に移行する幼虫も見られ、こういう幼虫に限って前蛹期の体の縮みが大きいように感じるが、もっと詳しく調べないと何とも言えない。

 成熟期は体についた脂肪が成熟していく時期でだんだん脂肪が黄色になり、活動力もよわくなってくる。この時期は最低限のマット量しか食さないと思われる。体重の増加も見られない。やがて成熟が終わると前蛹期に移行していく。

 それでは幼虫にとってマット交換の都合がよろしくない時期があるのか。前蛹期にマット交換する人はいないので、それ以外の時期について調べた結果、成長期第1段階は比較的環境の変化に強く、成長期の第2段階と安定期?は他の時期に比べ、環境の変化にシビアである傾向が見られた。成長期の第2段階に入ってから交換をすると成長期の第2段階の期間が短く、そのまま安定期に移行してしまう幼虫が増加傾向にあった。

 低温20℃以下で飼育していると、少なくても3令になってから2回位の交換が必要である。と言う事は、幼虫の都合だけを考えると成長期第1段階のうちに1回目の交換を済ませ、成長期第2段階と安定期?は出来るだけ交換を避け、成熟期に入ってから最後の交換(蛹化を促す意味も含め)をするのが幼虫にとって最も負担が掛からないマット交換のタイミングである事がいえる。
とはいえ、やはり優先順位をつけるなら(マットの状態)>(幼虫の都合)であり、現段階ではマットの状態を考慮しながら、出来る範囲内で幼虫の負担を軽減する方針を採用している。

 Ⅵ添加発酵マット
 添加発酵マットは、ペレメタには有力であると思われる。まず市販マットについて、最近の市販マットは、各メーカーがプロの技術で作製しているだけあって質の良いものが多く、価格も安いものが増えてきている。ごく一部に悪質なものが紛れ込む程度であるので、各メーカーのマットの性能について素人の管理人が物言える立場ではないが、おおよそメタリフェル専用の市販マットというのは、過去に1回だけオークションで見かけた程度で、ほとんどないといえる。

 市販ではおおまかに発酵の度合いでオオクワガタ用と、さらに発酵熟成の進んだノコギリクワガタやアンテ用が目立つところである。管理人の結論は、メタリフェルに対してはどちらもそれほど差がでないという事である。以前、ある市販のオオクワ用でいい結果がでず、ノコギリクワガタ用でまずまずの結果がでたので、熟成の進んだものが良いとしたが、実は発酵の度合いよりも、添加剤の質や量、再発酵しない位まで発酵が終了しているかが問題であることに気付いた。

 それは自作マットにもいえることである。メタリフェルに対して自作マットの場合、マットに対して添加剤(薄力粉の場合)は3~4%で十分であり、量よりもむしろ、いかに完全に発酵を終わらすかがポイントとなる。要するに基本がしっかり出来たマットなら、後は温度や容器、交換タイミングなどでカバー出来る(出来た)のである。

 小麦粉などに含まれる炭水化物は発酵の過程で、酸素と反応して二酸化炭素と水に分解され、たんぱく質や脂肪は二酸化炭素、水、アンモニアになってしまうそうだ。幼虫にとってはいいとは言えない物質である。だとすると小麦粉添加しても意味がないようにも思える。しかし実践で効果が見られる以上、何らかの形で幼虫の成長に貢献しているのである。

 現在は、自作マットとノコギリ用マット(市販)をブレンドしていい成績が出ているが、今後は添加物を発酵させずに直接幼虫に取り込ませる方法を試してみたい。この方法は幼虫のいるマットで添加剤が腐ったり発酵を始めてしまう可能性があり、なかなか難しいようだが、もしうまくいけば相当に効果が期待できるものと思う。

 Ⅶ光・音・振動対策
 幼虫は光や音や振動に敏感である。これらがストレスになり、早期蛹化してしまう可能性は十分にある。観察したいがあまり、頻繁に容器を動かすのは避けるべきである。容器を動かすと幼虫はびっくりして、食べるのをやめ後ずさりする事がある。

 また音に関しても、自然界ではありえない音が日常的に発生しているため、幼虫にとってはストレスの原因になっていると思われる。光に関しても自然界では羽化して蛹室を自力で脱出するまでは、おそらく皆無のはずである。しかしブリードではそうはいかない。まず人間が幼虫を観察するため、たいていは透明、又は半透明の容器に入れる。従って幼虫がマットを食い進んでいき壁にぶち当たれば、必ず光が入ってくる。またマット交換の際も光は避けられない。これら光によるストレスを軽減するため管理人は、容器をアルミ箔で覆ったり、交換の際は電気を薄暗くするなどの対策を採っている。90ミリの壁を越えるには、細かいところに気を配ることが必要なのかもしれない。

 Ⅷ幼虫の体重による羽化サイズの予想
 体重と羽化サイズは、必ずしも比例しないことは明らかであるが、おおよそ最終マット交換時(羽化から逆算して2~2.5ヶ月前)11グラムあれば、80ミリUPは確定(よっぽど悪環境に転じない限り)する。10グラムだと70ミリ台後半~80ミリ台前半になる。(管理人データによる)
90ミリ以上を目指すとなると、13グラムは必要と思われるが、データが2頭しかないので、まだ断定することは出来ない。

一本目

二本目

三本目

目次 Ⅰ.血統  
Ⅵ.添加発酵マット
Ⅱ.温度 Ⅶ.光・音・振動対策
Ⅲ.飼育スペース(容器の選択) Ⅷ.幼虫の体重による羽化サイズの予想
Ⅳ.雌雄判別
Ⅴ.マット交換のタイミング
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メタリma専科ペレメタ90ミリUPへの挑戦              

~ペレメタ90ミリUPへの挑戦~

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※ここでは、ページのタイトルから言って、あくまでもペレメタ大型(90ミリUP)の作出を目的としています。です
からサイズにこだわらない通常羽化を目的とした飼育方法とは、異なる部分も多いかと思います。また管理人の
私見が多く含まれる事をご理解頂き、目を通して頂ければと思います。今後、間違いやよりいい方法が分かれば、
順次書き換えを行っていきます。